気候変動って何?〜前編〜

気候変動って何?〜前編〜

 

 

こんにちは  :) 

 

今回は近年国際議会のテーマの1つとしてもよく扱われている『気候変動』(Climate Change)の問題に注目していきたいと思います。なぜ今この環境・社会問題を真剣に受け止め、私たちがアクションを起こしていくべきなのかを書いていきます!

 

〜前編〜

1. 気候変動って何?地球温暖化とどう違うの?

2. どの様に人間の活動が気候変動に影響しているの?

〜後編〜

3. 気候変動って環境だけの問題じゃないの?

4. 地球の未来を守るために私たちに何ができる?

 

 1. 気候変動って何?

恐らく、多くの日本人には『気候変動』よりも『地球温暖化』という言葉に馴染みがあると思います。どちらも地球環境に関わることですが、近年欧米では Global Warming(地球温暖化)だけでなくClimate Change(気候変動)がより懸念され始めてきました。

 

地球温暖化』は、私たちが日本で猛暑や暖冬を経験した際に、「これは地球温暖化のせいか」と感じる人もいると思いますが、正確には『地球温暖化』は「「温室効果ガス」が大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が急激に上がり始めている現象」*1を指し、ただ特定の年や季節、地域だけではなく、地球全体の温度の上昇のことを指します。

 

一方、『気候変動』は、長期的に見ある特定の地域における一年を通した通常の気候(=大気の平均状態)に変化が起きることを指します。*2 さらに気候を変化させる強制力は内部的なものと外部的なものがあり、外部的強制力はさらに自然起源の要因と人為的なものがあります。

 

地球の気候システムを簡単に表したのがこちら。

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上の絵図を見てもわかる様に、気候変動には様々な要因、そしてそれにより様々な現象が起き、環境だけでなく私たちの生活にも大きく影響します。

近年特に懸念されている気候変動の要因は主に人為的なもので、人間の活動による大気中への温室効果ガスの放出や森林破壊が大気中の温室効果ガス濃度を増加させ、それによる地球気温の上昇、つまり地球温暖化という現象が観測されているのです。

 

他にも日本で記録されている現象は

猛暑日の増加

ゲリラ豪雨や暴風(それによる二次災害で洪水、土砂、河川の氾濫による水没)

・海面水位の上昇

・海面温度の上昇

などがあり、他にも

・干ばつ

・洪水

・ハリケーン・竜巻・暴風

などが世界各地で観測されています。*3

 

特に夏でも比較的涼しい地域や年、さらに冬も例年よりも寒くなることもあると「地球温暖化は一部だけの問題」とか、「地球温暖化はウソだ」なんてことも耳にします。しかし、私たちがいま直面しているのは、ただ気温が上昇する現象だけでなく、地球全体の人為的要因による気候の変動、つまり人類による地球の気候システムの撹(かく)乱によって引き起こされる異常な気象だということを覚えていて欲しいです。

  

これらの現象は地域・地形によって起こる現象やその影響力も様々で、降水の多い地域と少ない地域の差の拡大が多くなったり、農作物の生産などにも激しく影響を及ぼしたりもします。また自然な環境・地形・気候も気候変動により変化しているため、多くの野生動物の住処や食糧にも影響を及ぼしています。

 

ただ、先ほども言及した様に、この様な現象は自然起源の要因の場合もあります。しかしなぜこの様な変化が自然のものではなく人為的なものと示されてきているのでしょう?

 

  1. 現代の気候変動は人類によって引き起こされた?!

これはIPCCによって作成された自然な気候変動と、それに人類の経済活動が加わった場合の地球の気温の変化をシュミレーションし更に実際の観測値と比較したグラフです。*4

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青のモデル(自然な要因だけの場合の気候変動)だけを見ると地球の温度の変化が0.0度近くに安定しているのがわかります。しかし赤のモデル(青のモデルに人為的要因が加わった場合)を見てみると、1970年代頃から急上昇していることがわかります。そして実際の観測値は赤のモデルとほぼ同じ様に変化しており、人為的な要因なしでは現在の変化してきている気候を予測、また実際に観測することは不可能、つまり人類の活動が気候の変化・変動の重要な一因となっているということになります。

 

さらに重要なポイントは、1970年代ごろからこの地表温度の上昇傾向が急激化しているということですが、これは他にも見られます。

 

下のグラフは1750年からの環境面での様々な変化を表したグラフです。*5

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  • 大気中の二酸化炭素の濃度
  • 大気中のメタンガスの濃度
  • 大洪水
  • オゾン層の減少
  • 森林雨林・森林の喪失の割合
  • 絶滅した動植物種の数
  • 海岸エリアの窒素フラックス
  • エビの養殖産業の量(沿岸地帯の構造の変化)

 などの変化のグラフが示されています。どれも1950年以降から上昇傾向が急激化しているのがわかりますね。

 

次に、1750年以降の社会・経済面の変化を表したグラフです。  

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  • 世界人口
  • 実質GDPの合計
  • 水利用量
  • 肥料消費量
  • マクドナルドのレストランの数
  • 自動車両の数

 

これらから読み取れるのは、ほぼ全てのグラフにおいて18世紀後半から緩やかな上昇・増加傾向、またその後1950年以降からその傾向が急激化しているということです。この第二次世界大戦後の急激な社会・経済的指数、そして環境負担の急激な上昇・増加のことをGreat Acceleration(急増加・急速化)やExponential Growth(急激な上昇・成長)と言います。

 

現代社会では何かしらにおいてこの様な(特に社会・経済面での)上昇・増加・発展=良いこと、の様な価値観を持っている人が多いと思います。しかし、これらのグラフとここまで見てきた気候変動の傾向を見ても、現在の化石燃料に依存し、環境保護よりも利益第一の社会下での社会・経済の発展・成長は環境破壊を推し進めていることが明確になってきているのです。

 

ここまで気候変動についての基本知識と現在観測されている様々な現象やデータなど使って

・気候変動はただの気候の変化ではなく、地球全体の環境・気候の変化であること

・それにより様々な自然災害や環境変化が起こっていること

・そして現在私たちが経験している気候変動は産業革命以降から始まった化石燃料に依存した経済や第二次世界大戦後の様々な社会・経済変化が大きく加担していること

を説明してきました。

 

後編では気候変動が環境問題だけでなく社会問題であるということを詳しく書いていきたいと思います。

 

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます!質問やコメント、訂正点などがあれば気軽にコメント欄にてお申し付けください!

 

(p.s. special thanks to my lovely friend Momo for helping me edit my terrible Japanese writing!)

"Climate Change is no longer some far-off problem. It is happening here. It is happenening now." - Balak Obama

 

Bye,

Kaho