気候変動って何?〜後編〜

Hello :) 

 

前回に引き続き今回も気候変動についてお話ししていきたいと思います。だいぶ間が空いてしまって申し訳ないですが最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 

さて前回の記事では気候変動は、長期間での地球の各地で起こっている異常な気候現象や環境の変化を指すことをお話ししました。そしてその変化には私たち人間の活動、主に大気中への温室効果ガスの排出量の多い産業や、天然資源を搾取する経済活動が大きく関わっていることも。産業革命後の人類の経済活動の「成長」や社会の「発展」は、環境には逆に悪影響を与えており、その影響力は第二次世界大戦後から急速化している様子をグラフを使って示しました。

 

今回は、世界全体で気候変動がどの様に影響しているか、そして私たちが今直面している危機にどう立ち向かっていくかを書いていきたいと思います。

 

 〜前編〜

  1. 気候変動って何?地球温暖化とどう違うの?
  2. どの様に人間の活動が気候変動に影響しているの?

後編

  1. 気候変動って環境だけの問題じゃないの?
  2. 地球の未来を守るために私たちに何ができる?

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  1. 環境問題だけではない気候変動

 

前回の記事でも触れた様に、気候変動は地球全体に影響を及ぼしています。つまり気候変動の影響は普遍的とも言えます。地球上のどこに住んでいようが少なくても気候変動の影響は明らかになってきています。

しかし、気候変動によって引きよされられる現象がどの様に、どれくらいのレベルで人々の生活や環境に影響してくるかというのは地域や特定のコミュニティ、さらに個人の社会的な位置によっても変わってきます。

 

例えば経済的、政治的、地理的に不利な状況にある人々やコミュニティーはその様な現象に影響されやすい立場にあります。*1この様な人々の住む地域には裕福な地域と比べて公共設備が整っていなかったり、政府や他の国際団体等からの支援が届きにくかったりします。

 

例えばオーストラリアの森林火災が今年2020年の初めに世界中の注目を寄せました。これには世界各国から支援が寄せられ、援助活動がスムーズに行われていました。しかし、それよりも長く水質汚染に苦しんでいるカナダやアメリカの先住民の人々がいたり、洪水、砂漠化、海水面の上昇、それらによる資源の枯渇によって移住を強いられている民族やコミュニティが既に何万人と存在しています。*2

 

このように気候変動の影響で移住を強いられる人々は気候難民(Climate Refugees/Environmental Migrants)と呼ばれたりもします。*3この気候難民や環境汚染に何年も苦しんでいる人々のことはめったにニュースになりません。なので、国際的な支援も少なければ自分たちがどのように彼らの生活環境の悪化に加担しているかなど想像もつかないでしょう。

 

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https://www.bustle.com/p/how-many-climate-refugees-are-there-millions-are-seeking-protections-that-dont-exist-yet-18717000


前回のブログでも強調してきたように、人間の化石燃料に依存した経済活動や生活・森林伐採水質汚染などの問題は先進国に責任があります。しかし気候変動は地球のどこの地域にも影響を及ぼすだけでなく、このような地域には特に打撃を与えます。これらの地域に住む人々は基本的人権である飲み水やシェルターの確保が脅かされており、気候難民は人権問題とも言えます。つまり、私たち先進国は、このように打撃を打たれやすい立場に置かれている人やコミュニティを守る義務があり、その為には化石燃料に頼った経済活動から再生可能エネルギーへの移行を今すぐ進める必要があります。

 

気候変動の影響を受けるのは人間だけではありません。気候変動と、人間の大規模な生産のための森林伐採、「発展」や都市開発事業などが組み合わさり、野生動物たちの住処は次々と失われていっています。現在1~5万の生物が毎年絶滅していると言われています。*4 これは通常の生物種絶滅のスピードよりも千〜1万倍の速度で起こっており、私たちは第六の絶滅機を迎えていると言われています。*5 地球上の生命体とその生命の網を保つ生物の多様性は凄まじい速度で失われており、これによって予想ができないような生態系の崩壊と危機が迫ってきています。*6

 

例えばブラジルのアマゾン森林雨林は「地球の肺」と呼ばれるほど、大量に二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出す機能をしています。しかし、森林伐採により二酸化炭素の排出量が増えるだけでなく、それによる周辺地域の気候の変動、気温上昇、湿地地帯の乾燥化(とそれによる森林火災の増加)、土壌劣化により、生物多様性の損失が懸念されています。*7これらの原因により何千もの生物種が絶滅の危機にあります。*8さらにこれは、生態系の一部である種としてもですが、一つ一つの動物の命としての認識し懸念する必要もあることを忘れてはいけません。

 

https://www.science101.com/30-animals-amazon-rainforest-extinct/

 

4. 私たちにできる事

 

今まで見てきた様に、人間はこの長い地球の歴史の中の微塵の時間しか地球に存在していないにも関わらず、地球のシステムを変え自然環境を壊し、人間だけでなく様々な動植物を犠牲にしてきまいた。このまま現在の様な化石燃料に依存した経済活動や環境やいのちよりも金銭的利益を優先する様な政策や社会のあり方のままでは手遅れになります。

 

確かに個人的にエコな生活をすることに努めることはとても大事なことです。しかし、それには限界があります。私たちが今最も必要なのは政治・経済のシステムチェンジです。

 

そもそもなぜ化石燃料に依存した生活によって引き起こされた現在の気候危機が様々な気象現象を巻き起こし、何万もの人を移住に強いらせ、健康に被害を及ぼし、動物を絶滅に追い込んでいるという事実があるのになぜ政府や投資している企業はこのような産業から手を引かないのか。それは利益があるから。そしてその利益を守る為に気候変動を否定するよう科学者を雇って、彼ら、利益を享受している人や産業の都合の良いように私たちに見せかけます。

 

今日本では特に民主主義が破壊されようとしています。そんな時だからこそ政治的なアクションが必要なのです。それは選挙にいって、責任のあるリーダーに投票することも大事ですが、抗議活動も重要な政治的なアクションです。言い換えてみると、現在の政治システムでは国民の声は全く取り入れられていない、どころか無視されています*9。石油や石炭産業へ対する助成金だけでなく、それら産業に対する環境保全に関する規制の緩和なども今の新自由主義の政治システムに見られます。

 

加えて、私たちの大量に安価なモノを作り出し、消費する経済活動にも問題があります。これには、利益を最大限にするために安い賃金で労働者を雇い、資源や動物を搾取する経済システム、そしてそれを正当化する政治システムがあります。つまり今の政治システムが搾取的で抑圧的な経済システムを支えているとも言えます。環境やいのちを最優先した政治・経済システムが、今必要です。その為には、私たち市民、国民がコミュニティレベルからでも一団となることが意味のある変化をもたらすのに重要となってきます。

 

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https://www.huffingtonpost.jp/entry/climate-strike-tokyo_jp_5d8562e2e4b070d468ccdbbc

世界の流れにのるように、日本でも全国各地に、Fridays For FutureNo Coal Japan, Climate Action, Extinction Rebellionなど様々な草の根環境・気候正義団体が活動し始めています。ぜひ自分の地域にないか調べ、活動に参加してください。定期的に同じ目標を持った仲間と集まることは、活動家によくみられるバーンアウトを防ぐこともできると私は実際に感じています。情報交換やチームの一員としてだけではなく、お互いの精神的な状態を助け合う仲間、コミュニティ造りができるといいですね。

 

先に、個人の活動も大切だと言いました。もし、このような公然の政治的な活動がどうしても自分に向いていない、と思うのであれば個人でできることもいくつかあります。例えば、

 

・エコバックを使う

・水筒や使い回しのできるトラベルマグカップなどを使う

・包装が少ないものを買う様にする

・車<交通公共機関<自転車<徒歩

 

それよりも強調したいのが、

 

ヴィーガンベジタリアンになる

 

以前のブログでも触れましたが、畜産・酪農業は温室効果ガスの排出が、自動車・飛行機・船など全てのトランスポーテーションの手段から出る二酸化炭素の合計よりも多いことがわかっています。温室効果ガスはオゾン層を破壊するのでそれが地球の温暖化、気候変動につながっていることは明らかです。

 

それだけではなく、畜産・酪農業(農家、動物たちの餌となる穀物の生産、加工プロセス、搬送、輸送、を含む)は水資源や土地を大量に消費し、周辺の環境や生態系を変えています。先ほどアマゾン森林雨林の例を出しましたが、アマゾンで行われる森林伐採の80%が食肉用に育てられる家畜動物の為に行われています。*10

 

オックスフォード大学の研究者によると、ヴィーガンベジタリアンのダイエットをすることで、73%もカーボンフットプリントを削減できるという研究結果も出ています。*11これは個人の環境への影響を減らす、最も有効的な手段であり、世界中の気候科学者もこれを勧めています。

 

これらは確かに個人的なアクションですが、環境へ悪影響を及ぼしている企業やサービスをボイコットするという点で政治的な意味もあるので、その重要さは強調しきれません。

 

これらができたら個人でソーシャルメディアや口頭で気候変動の深刻性を広めることも大切です。環境や気候問題に取り組みたいが「自分だけが頑張っても仕方がない、何も変わらない」と思っている人はたくさんいると思います。自分が少しずつ生活を変えて、周りの人にも環境に優しい生き方をシェアできるといいですね。環境問題に関する記事などを(信憑性を確認した上で)拡散するのも良い方法だと思います!

 

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。このブログを通して、少しでも気候変動とそれによる影響の理解を深める為に役立てたことを願います。その理解が、アクションの糧になりますように。ぜひ前編と合わせて、シェアしてください!

 

それではまた次のブログで。

 

Bye :) 

 

Kaho